H 8 復元プロジェクト《BERNARD ZINS》

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買い付けの経験の中で、もっとも感動した出会いだったかもしれない。

 

 

「H 8 」

アッシュ ユイット

 

Hは、まさかのHEMISPHEREのH...

 

HEMISPHEREからBERNARD ZINS社へ8番目に注文したモデル。

 

 

 

 

HEMISPHEREとは、1978年にANATOMICAのピエール・フルニエ氏らが立ち上げたパリのセレクトショップ

 

当時は、50色ほどのラムズウールやカシミアのセーターを壁一面に取り揃えたり、トラッドからネイティブアメリカンの製品、様々な民族衣装まで、世界中の逸品を幅広く扱うお店だった。

 

私が知る事になった90年代後半では、品揃えにその当時の面影は薄れていたけれど、ショップスタッフのスタイルからその片鱗を垣間見れていた。レディース(そこはたまたま)のお店だったし自分が着られるものなんて何もないんだけど足繁く通い、HEMISPHEREとはなんたるかをたくさん教わり、憧れた。

 

それから数年後、私はEDIFICEのバイヤーになり、日本でHEMISPHEREを運営していた金万さんともお付き合いが始まり、いつも話題の焦点は80年代のHEMISPHEREの話だった。

 

とにかく当時を知る人の話が楽しくて、自分はあまり質問するようなタイプではないんだけどHEMISPHEREについてだけは質問しまくった。

 

ほぼ妄想に近いけど、自分流のHEMISPHEREスピリットが買い付けの原動力になっていたことは間違いないし、それは今でもそう。

 

 

とにかく相当憧れていたHEMISPHEREの80年代のアーカイブを発見してしまったのだから興奮が抑えられるわけがなく復元したい欲は物凄かった。早速BERNARD ZINS代表のフランク氏に猛烈アプローチするも、一度は追い返され、、、半年後に戻り、しつこくお願いしてようやくOKをいただいた。

 

それなりのリスクを抱えてのオーダーだったけれど、常にクローゼットの中心に置いておきたいトラウザーズなんて今まで無かったし、これから見つけることが出来るとも思えなかったから英断だったと思ってる。

 

HEMISPHEREの話ばかりが先行してしまったが、当たり前だけど内容も素晴らしく、トラウザーズの教科書ともいえるようなディテールの数々。ひとつひとつのディテールが履き心地の良さや使い勝手の良さに直結しているのも見逃せないポイントだ。

 

 

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フレンチプリーツとも呼ばれる2インプリーツを採用。

動きの良さと収まりの良さに定評のあるディテール。 

 


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角が丸いのは、お腹に食い込んだ時に当たらないように?見た目的にも美しさを感じます。



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開け締めする際の手の動きを考慮して斜めにカットされたボタンホールは開閉のしやすさが抜群だ。

 

 

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ボタン滑りの良いサテン地を使用。

 


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マーベルトにはサスペンダーボタンも備えている。

 


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ヒップ周りの立体感?収まりの良さ?は一つのポイントになっている。ポケット上を貫通するダーツが、その機能に一役買っていると思われる。

 

 

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カウボーイブーツを余裕で飲み込む24cmの裾幅。個人的にはカウボーイブーツに合わせるパンツとしても考えていたので、この裾幅は絶対だ。

 

 

 

そして最大の難関であった生地選び。

 

ただ、好みの生地を選ぶのでは芸がないし、選び方によっては魅力が半減してしまう事も分かっている。できれば当時の資料を参考にしたいけれど、サンプルはグレーのサキソニー1本のみ。

 

 

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そこで活躍したのが、たまたまBERNARD ZINSショールームに置いてあった1984年のPOPEYE誌。

フランス特集「VIVA! NOUVEAU CLASSIC」というタイトルのスタイリングページの中で、トラウザースを着用したコーディネートが多く掲載され、私は今回の生地選びのソースとして利用させてもらうことにした。

 

雑誌と生地スワッチを交互ににらめっこしながらピックアップしていくという新しい?スタイル。

 


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そのまま直球のタータンチェックではなく、キーカラーである赤を基調とした今日的なチェック柄をチョイス。

 


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千鳥格子は、大きめの柄を発見し即決。

 


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つい選びがちなアメリカ的なチノを避けて、フレンチな色合いのオーガニックコットントリコロールな三色をチョイス(恥ずかしがらずにトリコロールを選びます)。

 


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日本の気候の考慮しオールシーズン対応を意識したSUPER110sのウール素材(上から3色をオーダー)。 

 

無地のウール生地のものを1ヶ月ほど履き込みましたが、生地のしなやかさ、フィット感が秀逸で、とにかく履き心地がよく、履いたその日は一日中気持ちよく過ごせます。

 

改めてボトムの重要性を感じさせられました。

 

 

価格:

無地SUPER110s 33,000yen +tax

オーガニックコットン 33,000yen +tax

チェック柄各種 36,000yen +tax

 

サイズ:

34,36,38,40,42,44,46

 

 

現在、HEMISPHEREはパリにも日本にも無いけれど、1アイテムだけならL'ECHOPPEで見ることもできるし購入することもできます。

 

 

■L'ECHOPPE
■住所 〒107-0062 東京都港区南青山3-17-3 
■電話 03-5413-4714 
■営業時間 11:00~20:00 
■定休日 なし